FAQ(よくあるご質問)でKPI設定・KPI設計をどうすればよいかという悩みがあります。
KPIの指標を決めようとしてもなかなか浮かばないのが現実です。今回FAQのKPI指標の決め方のポイントについて書きました。
■FAQに関する基本的な内容に関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。
KPI設計に関してのポイント
KPIとKGIの違い
まずはKPIとは、KGIの違いについてです。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、企業目標の達成度を評価するための重要業績評価指標のことをいいます。
通常KPIはシンプルで測定及び改善することが出来る指標にすることが求められています。
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、企業の達成すべき目標を定量的な指標で表したもののことをいいます。
KPI・KGIの例としては「来年度の売上50億円」という定量的数値目標をKGIを設定して、「新規商談を月500件」「新規問合せ件数を月1,000件」というKGI達成に必要な定量的な数値目標をKPIとして設定することが
望ましいです。KPIの設定としてはKGIの目標から逆算することで適切に設定しやすいです
[参考サイト]KPIとKGIの違いを具体例で徹底解説!設定と運用方法を紹介 (Cyzen)
公平正確なデータ元にKPIの指標を決める
KPI指標を決める以前に重要なのはきちんと公平正確なデータを取得する仕組みを作ること言うことです。
ここで公平正確なデータということです。例えば偏ったデータではなく、バランスの良いデータであることが重要です。
例えばFAQサイトに公開されているアンケート回答等ですが、解決率等はあくまで参考値と考えています。
実際に解答している人は解決しない人が多い場合があるからです。
KPIの指標を決めるには合意形成が大事
トップダウンで一方的にKPIの指標を決めることはモチベーションの面でもあまりよろしくありません。
KPI指標に関わる担当者全員の意見を聞き合意形成した上でKPI指標をきめることが達成する上で大事です。
その理由としてはKPIを実施するのにあたり誰のためになんのためにしているのかを明確にして、役割分担を明確にしないとKPIを達成することは難しいからです。
具体的で単純明快で達成可能なKPIの指標であること
あまり複雑なKPI指標や複数のKPIの指標を決めてしまうと、一体KPIの指標ってなんだっけとか途中で見失う場合があります。
単純明快で達成可能なKPIの指標であることが大事です。それには具体的で現実的なKPI設定のほうがいいでしょう。
FAQ運営におけるKPI指標のポイント
自分がFAQサイトを担当していた時ははコール削減・コスト削減をKPI指標に
自分の時はコールセンターのコスト削減とコール削減がKPI指標だったので、WEBページのアンケート以外にFAQの活用(コールセンターのオペレータがFAQを元に解答・解決した場合もKPI指標の一つにいれていました。
コールセンターの1件当たりコール単価「300円-1,000円程度」と計算した場合、FAQ1件制作単価「5000円-10000円」かかると計算しても、FAQの場合はほぼ初期制作費用(恒久的に利用可能)だけなのでトータルコスト的にはFAQの方がコストパフォーマンスがいいといえるのではないでしょうか。
[参考サイト]コールセンターの平均費用と料金相場|早見表つき (アイミツ)
状況・フェーズに合わせてKPIを変えていく
いつまでも同じKPIである必要はありません。状況・フェーズに応じてKPIの指標を見直すことも重要です。
例えばFAQサイト構築立ち上げ時はFAQコンテンツ到達・導線にウエイトを置いて、FAQコンテンツ到達・導線をKPIの指標として考えるといいでしょう。
ある程度導線も改善された場合は次のステップとしてFAQコンテンツ解決率を軸としたKPIの指標として考えるといいと思います。
あまりKPIを意識しずぎても、いい結果はついてこない場合が。。
あまりKPIを意識しすぎても、いい結果にならない場合があります。FAQ制作もある程度数やボリュームが必要であり、ブログやSNS同様すべての投稿がヒットするというわけではありません。
パレートの法則(2:8の法則)と同様。2割のFAQが残りの8割のFAQを支えているという考えくらいで、よく閲覧されるのはFAQ数の2割くらいと想定したほうがいいかもしれません、
KPIを意識しずぎて閲覧数・解決率の高いFAQしか作らなくなり、結果的に本当に必要なFAQを作らなくなるという場合もあります。
お問い合わせの多いものを中心に実際作ってみて思いの外、閲覧数が多く、さらにブラッシュアップしていくほうが、理想かもしれません。
[参考サイト]パレートの法則(2:8の法則)とは? 具体例や類似した法則を解説(ミチタリ)
FAQサイトにおけるKPIの指標の考え方
FAQサイトにおけるKPI指標の考え方についてまとめてあります。
大きく分けてFAQ到達導線フェーズ・FAQコンテンツフェーズ・FAQ運用フェーズと3つにわけました。
それぞれにKPI指標になりうる事柄も書いてあります。
FAQコンテンツ到達・導線「きちんと目的のFAQにたどり着いているか」
FAQのKPIの指標の一つに問題を抱えているユーザーがちゃんと目的のFAQにたどり着いているかになります。
その指標や改善施策としてはFAQの告知・UI・UX改善や検索システムのチューニングになります。
FAQのローカルでの告知
FAQのサイトがユーザーに知られているかも重要です。
例えば商品の取扱説明書への記載・投げ込み文・店頭での告知等、電話でのお問い合わせ時IVRガイダンスでFAQサイトをご覧ください等、なかなか数値は難しいですが、実施前と実施後の比較はできると思います。
QRコードとURLパラメータを使ってGoogleアナリティクスでアクセス解析方法もあります。
[参考サイト]QRコードの効果測定をする方法|URLパラメータを使ってGoogleアナリティクスでアクセス解析(ORANGE CORPORATION)
FAQのサイトアクセス数
先程のローカルでのFAQの告知とは別にWEBサイト上のFAQのサイトへの導線改善になります。
例えばトップページに目立つようにFAQのバナーの設置やヘッダーフッター部分にFAQページへのリンク追加等、FAQページへの流入数増加等になります。
PV数・UU数の推移はGoogleAnalytics上でも数値は計測可能です。
検索システムのチューニング・ヒット率の改善
FAQ数が多い場合、またはFAQシステムを導入している場合、FAQページを対象とした検索システムを導入している事が多いです。
その場合、ユーザーの検索したキーワードできちんと検索結果が表示されて目的のFAQページに辿り着いているかが重要です。
検索ヒット数・検索ヒット率という指標になるでしょう。FAQシステムを導入している場合にはヒット率等も管理画面で確認できる場合もあります。
FAQ閲覧率
FAQの閲覧率はFAQサイト自体の閲覧数やFAQ単体の閲覧数の計測になります。数値的にはPV数やUU数が指標のベースに含まれてくるのではないでしょうか。
FAQの閲覧数はFAQシステムを導入している場合はFAQシステム内で計測可能なのとGoogleAnalyticsで計測可能な場合が多いです。
※詳細な数値をカウントする際には1ページにFAQを集約するのではなく、Q&A一つ一つを単体ページとして独立させることが大事です。
FAQコンテンツ解決率「FAQでユーザーの問題を解決されているか」
公開している個々FAQコンテンツで問題が解決されているかがポイントです。
ページ滞在時間・ページスクロール率
アンケート結果のようにFAQページコンテンツの解答率の把握は難しいですが、ページ滞在時間やページのスクロール率からきちんと閲覧されているか把握することはできます。
例えば普通最後まで読むと1分位かかるFAQページコンテンツが平均ページ滞在時間が15秒だったり、ページスクロール率が15%だったりすると最後まで読まれていない可能性があります。
ページ滞在時間やページスクロール率はGoogleAnalyticsで検測可能です。
アンケート回答率
個別のFAQページのフッダー部分にアンケート項目を設置している場合があります。
ただFAQの末尾にアンケートが設置されているサイトがありますが、意外とアンケートがKPIの指標になるかどうかは疑問なところがあります。
実際に運用していて、気づいた点として、解決した人はアンケートを解答を記入する人が少なく、不満のある人のほうがアンケートを解答・記入する場合が多かったです。
またFAQ見て直ぐに解決するFAQ(お店の営業時間等)であればいいのですが、あとでFAQの内容を試して見る場合(パソコンの電源が入らない等)や解決までに時間がかかるタイプのFAQの場合、アンケートを解答する人は少ないでしょう。
アンケートを元にKPIの指標を優先した場合、FAQを制作をするとなると、簡単なFAQ(お店の営業時間等)を量産されることにもなりかねません。
もしKPIの指標を作るのであれば、アンケート以外にも他のデータを組みあわせてKPIの指標をつくるのをおすすめします。
「FAQ管理の運用効率化・労働生産性向上」効率よくFAQを運営管理できているか
FAQ管理の運用効率化・労働生産性向上はFAQ管理工数の効率化をKPIの指標として取り入れることです。
それに各業務を分析して数値化することが重要になります。
FAQコンテンツ更新
FAQは作成したはいいが放置したままだと、解決率も下がりますし、間違った解答をする場合もあり、クレームのもとになります。
また解決率向上のために日々FAQコンテンツをリライトすることも大事です。
例えば月ごとのFAQコンテンツ作成数とFAQコンテンツ更新数を数値比較やFAQコンテンツ更新後の解答率の変化等の数値比較等も分析することも重要です。
FAQ公開までの時間
FAQを制作してから公開するまでの時間になります。
お問い合わせ分析または作成依頼・制作・内容確認・公開までは担当部署への情報精査の確認や文章チェック等を行う場合が多く、途中の情報確認作業がボトルネックになる場合もあります。
速やかに公開するための作成から公開までの時間を計測や件数等の数値化もKPIの指標の一つして有効だと考えます。
お問い合わせ・コール削減
カスタマーサポートやコールセンターを併設してる場合、ユーザーからのお問い合わせ削減(コール削減)が指標になっている場合が多いです。
FAQを公開することによって、お問い合わせ件数が減っているか、またはオペレーターがFAQを参照することによる応対品質向上や応対時間の削減等も指標になるでしょう。
先程述べたようにFAQ1件あたりのコストとコール単価を指標と考えるのもありでしょう。
FAQサイト構築・FAQ作成代行サービスのご案内
FAQサイト改善・FAQサイト構築サービスを行っています。大手電機メーカーのコールセンターでのFAQサイト構築の経験を活かし、ご相談を受け付けています。
FAQのKPIに関して、もしこの記事を読んで興味を持たれた方・もう少し話を聞いてみたい・お問い合わせ削減等でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
■FAQサイト構築・FAQ作成代行サービスの詳細に関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。