IT効率・労働生産性

真面目に経営をしているけど結果的にブラック企業になってしまっている会社の傾向

たまに就職相談も受けたりしますが、その中でブラック企業の見分け方を教えてほしいという相談もあります。

なかなか企業の採用ページではブラック企業かどうか見分けることが素人には難しいのとましてや大学生の就職活動では難しいと思います。

他のサイトでもブラック企業の求人の見分け方や体験談の記事はたくさんあります。

今回は自分なりにブラック企業の傾向を書いてみました。

ブラック企業をざっくりカテゴライズしてみると。。

ブラック企業にも色々定義があると思いますが、ざっくりですがブラック企業をわけると2つになるのではないでしょうか。

経営者がブラック企業という自覚症状がない状態で結果的に周りから見るとブラック企業の烙印を押されてしまっている場合が多いです。

実はブラック企業の割合で多いのはこちらではないでしょうか。

経営者が確信犯でブラック企業をしている

経営者自身が確信犯でブラック企業を自覚して経営している場合です。

世間的評判やコンプライアンス等もまったく意に介せず経営を行ってる場合です。

こうした傾向としては例えばコンプライアンスを遵守して経営をすると、とたんに経営が回らなくなり会社が倒産してしまうパターンが多いのと、持続的な経営を考えずに世間的に評判悪くなる前に稼ぐだけ稼いで会社を畳んでしまう等の場合もあるでしょう。

こうした企業には関わらない・就職しない・辞めるしか方法がないと思います。

[参考サイト] 労働基準関係法令違反に係る公表事案企業検索サイト(セルフキャリアデザイン協会)

真面目に経営をしているけど結果的にブラック企業になってしまっている

経営者がコンプライアンス・労務関連の知識に乏しい

実はブラック企業の多くは「真面目に業務をしているけど結果的にブラック企業になってしまっている」パターンですが、実は結構の割合で多いと思います。

これは企業に限らず、社内の部署単位でも有り得る話です。上司のマネージメント能力不足やマネージメントのキャパを超えている等が主な理由です。

経営者がコンプライアンス・労務関連の知識に乏しくて、結果として社員が不利益を被り、ブラック企業になってしまっている会社はかなり多いです。

カリスマ社長でも必ずしも経営マネジメントに優れているかと言えばそうではありません。

中小企業やベンチャー企業の場合、コンプライアンスや労務まで手が回らない場合も多いです。社長自ら給与振込や経理等を行っているところもあります。

こうした場合、経営者が自分の会社はブラック企業だという自覚がないまま経営している場合が多いです。

またブラック企業を改善しようにも改善の仕方がわからず結局ブラック企業体質が脱却できないまま時間だけが過ぎていくというパターンです。

社長自身の成功体験が強い場合

これは中小企業が多いような気がします。特に中小企業の場合、経営者のキャラクターによりブラック企業がどうかの影響度が高いでしょう。

社長自身の成功体験が強く、自分ができるなら社員もできると思い込みの強さが要因です。

人材は世代により価値観が全く異なるのと社長時代の時代が良かったという時代の要因も大きい場合もあります。

経営者が以前所属した会社に注目

前述の成功体験と似ていますが、特に脱サラ系の経営者の多くは以前所属(サラリーマン時代)した会社を基として自分の会社経営をすることが多く、以前所属した会社がブラック経営だった場合、そのままその体質を継承する事が多いです。

つまりそうした会社しか知らないからです。またブラック企業の世襲の場合も同様でしょう。

就職・転職時にブラック企業がどうか判断する指標の一つとして社長のキャリア、特に以前所属した会社をチェックすることをおすすめします。

市場がレッドオーシャンによる競争激化・薄利多売・人件費のウエイトの高い市場

これは企業の問題というより、業界の体質が結果としてブラック企業を生み出している素地を作っているパターンになるかと思います。

労働集約型産業(人に依存する産業)はどうしても人材に頼らざる業界でしかも参入障壁が低く、さらに商品サービス単価・粗利も低いとなると人件費をカットまたは1人あたりの労働のウエイトが高くなりがちです。

商品サービス単価が低いため、従業員の給与報酬も低くなってしまうのと、高いスキルが必要な仕事でないため、人材の使い捨ても可能なので結果として離職率が高くなってしまいます。

こうした業界に就職した場合、転職した場合でも業界自体ブラック体質なので、またブラック企業に就職してしまう可能性が高いです。

カスタマーハラスメントによるブラック企業化

「お客様が神様です!」という「顧客第一主義」を掲げる企業に多いです。

理不尽な顧客対応が原因で現場の人たちがクレーマーに疲弊して辞めていき人手不足=ブラック企業化になったケースは多いです。

顧客の言うことを何でも聞けば顧客満足度が上がるという「顧客第一主義」を勘違いしている場合があります。これは小売業だけではありません。

例えば広告代理店の場合でもクライアントの無理難題な理不尽な要求に答えるために結局下請けにしわ寄せが来てブラック企業の連鎖が発生する場合もあります。

最近ではカスタマーハラスメントと呼ぶことが多いです。

世代間格差による職場のブラック化

最近多いのが社内の世代間格差によるブラック企業化もあるでしょう。若いIT世代とバブル時代の管理職世代の社内での世代間格差や既得権益層問題です。

特に企業内のIT化による労働生産性改善により顕著に見れられる傾向です。

例えばGoogleアナリティクスの分析等、リモートワークで充分可能なのにあえて出社して作業させる等、システムと会社の体制がアンバランスが起きていて、結果としてブラック職場になってしまっていることです。これは日本企業に多く、特に官公庁等旧体質の職場に多いでしょう。

ただIT世代なのかでも世代間格差は存在してきています。SNS世代やWindows世代等、ITの価値観違いやワークスタイルの違い等、今後顕著に出てくるかもしれません。

コンプライアンス・社内規定が厳しくてブラック企業化

今までと逆のパターンもありえます。コンプライアンス・社内規定・セキュリティが厳しすぎて、社内の居心地・風通しが悪く結果的にブラック企業になってしまう場合です。

例えばボールペン一つ使うにも稟議書が必要や営業でも毎時定例報告が必要。社内に監視カメラがあり就業時間監視されている。在宅業務・テレワークなのにリアルタイム監視ツールを強制されている等色々事例があると思います。

こうした企業は一概に経営者が悪いとは言えません。ただ根本的に経営者層が社員を信頼していていない場合が多々あります。

一方でリテラシーの低い社員が多い場合、いずれかのケースが多いです。話を聞いてみると過去社員による不正や横領等の問題があってから厳しくなった等、伝説の話をよく聞きます。

普通であれば社員をリテラシー研修等すればいいではないかという話ですが、それより監視ツールの導入や規約も設けたほうがコストが掛からないという経営者の判断やクライアント等対面的な問題もあるでしょう。

たぶん学校で言う進学校は生徒の自主性が高いので校則がゆるく、底辺校は自己管理ができないので遅刻・頭髪等の拘束が厳しいという論理に似ているかもしれません。

実はIT系とブラック企業の親和性は高い

IT土方と呼ばれるほどシステム開発は人力

IT企業とブラック企業の親和性は高いです。そもそもシステム開発はIT土方と呼ばれるほど開発には工数と人数が必要です。

プログラミングには人力が必要だからです。いくら優秀なプログラマーでもかけるコードの数は限られています

AIが自動でコードを書いてくれる時代にはまだ先になると思います。

またスキルによって報酬の差が激しい場合があります。IT業務の中にはそれほどスキルが要求されない仕事もあります。

そうした場合、低スキルの人材で回すことができるので必然的に非正規社員や低賃金労働になります。

逆にそうした低スキルの人材を育成して研修等でスキルを上げるとなるとそれだけコストがかかることになります。

ITベンチャー企業の場合労務管理コンプライアンスまで手がまわらない

またITベンチャー企業や中小のIT企業の場合、労務管理やコンプライアンスまで手が回らないのも現状です。

受託案件やアウトソースの場合クライアントによってブラック化が加速

特に受託案件やアウトソース業務の場合、クライアントがITリテラシーが低い場合や無理な要求・スケジュール等はブラック化を加速させるからです。

ブラック企業の場合、ナレッジキャピタル(企業情報資産価値)が増えない傾向が強い

基本的にブラック企業の場合、離職率が高く、人材の回転が早いので社内のナレッジ共有ができていないのとナレッジキャピタル(企業情報資産)が貯まりにくい傾向が強いです。

つまり同じ失敗を繰り返すので会社自身の経験値が上がらないため成長がなく、他の企業に比べて成長曲線の頭打ちの可能性も高いです。

例えば業界自体が上昇トレンドの時はブラック企業でも成長していきますが、会社自身の力で成長しているのと錯覚しがちです。

業界が停滞してしまうとブラック企業が業績が悪くなるのはそこに理由があるからです。

ナレッジキャピタルが高い会社は過去の不景気・不祥事・災害・好景気時等にも人材の知識・知恵によるノウハウがあるので結果として影響を受けにくいです。

ブラック企業にはいい人材が集まってこない可能性

最近では転職サイトでもその企業に勤務していた人が書いた口コミやレビューをネットで見ることができます。当然ブラック企業には悪い評判やレビューが書かれています。例えば社長の名前や会社の名前を検索して悪い評判が出てくる場合もあるでしょう。

社長がITリテラシーが低い場合、インターネット上で自分の名前とか会社の評判をいちいち目を通している人は少ないので自分や自分の会社がどう思われているか知らない場合が多いです。

※ちなみに過去にGoogleマイビジネスで評判が悪いのでなんとかしてほしいというのはありました。最近ではネットでの悪評を消去する専門の業者もいたりします。

転職就職する際、普通であれば自分が就職する会社の会社研究や社長の経歴・経営理念等、調査した上で応募したり、面接や入社をする段取りになりますが、そうした上で必ず会社のレビューのサイトは目に留まるはずです。

必然的に優秀または普通の人はそうした悪評の高い企業には応募しなくなります。結局は事前調査しない・知らない人材しか応募してこないことになります。

入社して結局は会社の実態を知ったり、会社の体質に合わずにすぐ退社してしまう=離職率が高くなる等の負のスパイラルのリスクがあるでしょう。

IT化・AI時代にもブラック企業は存続するのか

AI時代にもブラック企業は存続する可能性は高いです。

その理由としては単純作業はどうしても人に頼らざるところは残ります。

RPA等導入によっても人力作業は必ず必要になります。

単純作業ですので、高スキルは要求されない代わりに低賃金でスキルのつかない仕事なので非正規雇用の従業員が増えるでしょう。

今までのピラミッド型の構図ではなく経営者と非正規雇用の従業員の二極化の構図になるかもしれません

例えばAmazonのフロント部分はWEBで簡単に注文できますが、Amazonのピッキング業務や商品配送業務は現在でも人力であり、機械やドローンによる自動化はまだまだ先ではないかと思います。

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KAN
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個人事業主歴20年・IT関連(導入支援・ヘルプデスク)・FAQサイト構築・WEB関連(WEBマーケティング戦略・集客・分析)・WEB・ECサイト運営のアドバイザリーの仕事を中心に活動。このブログでは気になったIT・ビジネス関連の情報・ニュースやグッズを自分の備忘録を兼ねて不定期で投稿しています。
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