最近コロナ禍で急激にテレワーク・リモートワーク等の普及による、IT化を迫られている中、一方で業種によっては景気悪化のために収益改善等が迫られているので、システム改修・サイト改修・オンラインショップ開設の相談が多いです。その中で下記の記事が目に止まりました。
[参考サイト]Webサイト刷新の75%が失敗に終わる残念な訳「経営者や責任者の気分はユーザーに無視される(東洋経済オンライン)
確かに記事の書いていることは大方あたっていると思います。
全面サイトリニューアルは時間とコストと工数もかかり、長期的スパンで考えないといけません。
特に業績悪化時に行う施策ではありません。逆にシステム機能拡張・機能増強・コンバージョン収益改善等、ピンポイントのほうが効果があります。
業績悪化によるシステム改修・サイトリニューアルはリスクが高い
不景気時や業績悪化時のシステム改修・サイトリニューアルは失敗するリスクが高いです。
今まで上手く動いていたものがシステム改修で逆に悪化してしまうとパターンはかなり多く、負のスパイラルのパターンに陥る事が多いです。
まずはデータドリブンできちんと分析した上で本当に改修する必要があるのか、それ以前に無駄な部分(システム・サービス・コンテンツの断捨離)がないか見極めが重要です。
システム改修やサイトリニューアルの根源が社長の思いつきや思いつき経営の場合は赤信号
システム改修やサイトリニューアルの依頼時にそもそものサイトリニューアルの目的をきちんと確認するようにしています。中小企業の場合は社長のワンマン経営が多く、社長の一声で決まりことが多く、システム改修・サイトリニューアルもその場合が多いです。
平時の場合や業績好調時等、経営に余裕がある時は思いつき経営でも上手くいくことがありますが、特にコロナ禍等、急速に業績悪化や経済が不景気にシフトしている時期の社長の思いつきの発想や思いつき経営はとてもリスクが高いです。
心に余裕がないので冷静的に判断できないのと世の中の流れに流される場合が多いです。
コロナ禍の連休中に密を避けて、キャンプや海に行ったら同じことを考えている観光客が多く行列や渋滞に遭遇してしまったパターンと似ています。
例えば新型コロナの影響でリアル店舗の売上が急に激減したので、オンラインショップを開設してその売上をカバーするという相談が多数あります。
やはり考えることが同じでたぶん依頼される方のほとんどはオンラインショップを開設すればすぐに売上が上がると安易に考えている人ほとんどです。
オンラインショップ自体はそれほど開設するのに時間はかかりませんが、運用や集客面等オンラインショップを安定運用させるのにかなり時間がかかります。
運用面もリアル店舗と違い、写真撮影・商品説明文・梱包資材・商品型番等、リアル店舗と違う手間と時間がかかります。逆にリアル店舗の足を引っ張る場合もあります。
実際オンラインショップを運営してみると労働生産性や利益率を見てみると赤字にはならないが全然儲からない、手間と時間ばかり取られて疲弊して閉店とパターンが多いです。
本来こうしたことは平常時、業績好調時・安定時に行ってきちんと検証しておくべきことだったと考えます。
■ECサイト運営に関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。
ちなみにネットショップの成功率は開業した初年度の廃業率は30%、それ以降の廃業率は約50%だそうです。その残りの50%のうちも、確実な利益を上げて成長している、いわゆる「成功した」といわれる状態にまでなれるのは、約1%程度だそうです。
[参考サイト]ネットショップの成功率はどのくらい?(PAYGENT)
ちなみにネットショップの成功率は開業した初年度の廃業率は30%、それ以降の廃業率は約50%だそうです。
またWEB集客(SEO等)も以前に比べて競合他社も多く、アルゴリズムも精度が高くなっているのでデザインをちょこっと変えたり、小手先の技が通用しなくなってきています。
Googleも本当にユーザーに必要なコンテンツかどうかというのを重視するようにシフトをしています。そもそも別の要因(業界自体の成長率の低下)が多く、本来なら、景気の多いときに策を講じておけばよかったというパターンが多いです。
アリとキリギリスのキリギリス状態・夏休みの終わりの宿題みたいな感じです。
WEBサイト制作会社からのサイトリニューアルの提案も注意
思いつき経営によるサイトリニューアルではなく、ウェブ制作会社からの営業からのサイトリニューアル提案も注意する場合があります。ウェブ制作会社からしてみるとサイト改善の提案より、リニューアルしたほうが楽なのと収益がいいからです。
サイトリニューアルだけでなく、システム売り込みの場合も同じで自社のシステム導入したほうが楽なので関係ないシステムの売り込みもある場合があります。
最近ではフルスクラッチでシステム開発するより、すでにあるサービスでなんとかなるパターンが多い
コロナ禍による短期間でテレワーク移行しなければいけない時に1からシステム開発している時間がない場合、GsuiteやZOOM等既存のサービスを活用して運用している会社が多いです。
確かに既存のサービス場合、機能制限や自社向けにカスタマイズできない場合が多いですが、運用でカバーできる場合も多いです。予約サービスやECサイト等、特殊な運用をシステム化するのでなければ既存サービスを活用したほうがいい場合が多いです。
システム開発会社・SI業者・コンサルタントは既存サービスの活用ではなく、システム開発・システム導入を勧めてきますが、その理由としてはマージンが取れないからです。
システム開発・導入で利益を上げて、運用・システム改修・機能拡張で更に利益を上げるビジネスモデルだからです。
既存のサービスを活用のメリットは「導入期間が短い」「開発リスクが少ない」「トータルコスト削減」等があります。そこで物足りない場合はフルスクラッチでオリジナルシステムを開発する流れのほうが無駄がないと思います。
[参考サイト]数千万かけて作ろうとしていたシステムがSaaSの組み合わせでほぼ0円で実現できそう→こういうニーズがあるのでは、という話(togetter)
既存のサービスを利用する場合もフルスクラッチシステム開発をする場合も業務運用フローもシステムに合わせる必要
既存のサービスを利用する場合もフルスクラッチシステム開発をする場合も業務運用(ワークフロー)をシステムに合わせる必要があります。
システム導入で失敗する傾向として、既存の業務運用フローに合わせたシステム構築をしてしまう場合が多いです。
そうするとシステム開発に多大なコストと時間をかけることになってしまうのと使い勝手がいまいちだったりすると使われないリスクが高いです。
属人的・アナログ的なワークフローもデジタル化に合わせたワークフローに作り変える必要があります。
これは社内のシステム開発だけなく、日本のIT化・DX化の立ち遅れ理由は従来の商習慣・ワークフローに固執して、デジタル化に落とし込みができていないのも原因の一つだと考えます。
業績好調時のシステム機能改修・サービス拡充は成功する確率が高い
逆に業績好調のときにシステム機能改修・サービス改善は成功する確率高いです。
そうした時にユーザーニーズの把握や分析等、データドリブンできちんとジャッジをして長期的スパンでシステム機能拡張・サービス改善等行うことが大事です(無駄な機能拡張・サービス拡充を防ぐ)。
そうでないと感覚的・感情的な無駄なシステム拡張やサービス拡充は逆に業績悪化時に足を引っ張る可能性があるので、見極めが必要です。