「明日から本気出す・いまさら感満載」の会社のありがちな残念なパターン

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「明日から本気出す・いまさら感満載」な会社自分の場合、色々な業種・業界等の仕事の依頼・案件が多いですが、かなり遭遇する確率が高いです。

自分だけでなく、ITソリューション系(WEB制作・WEBコンサルテーション・システム開発・WEBマーケティング等)の業務を携われている方は一度は遭遇するのではないでしょうか。

なぜIT系で明日から本気出す・いまさら感満載に遭遇する確率が高いのか考えてみました。

目次

いまさら感の多い会社の特徴

WEBサイト構築・システム構築・WEBサイト・システム改修等、IT系の仕事のフレーズで上位にランキングするワードとして「いまさら」ではないでしょうか。

WEBサイト構築も佳境に入るころにいきなり、仕様変更等を言われることも多々あり、「いまさら言われても。。」ということも多いですし、すでにライバル会社がサービスをリリースしてて、うちも参入する!という「いまさら」という場合も多々あります。

特にネットサービスやIT系自体、他の業界に比べて技術の流行り廃れや時代の移り変わりがとても早いので、他のサービスの感覚でWEBサービスやシステム導入を考えてしまうとこの「いまさら感」が連発する場合が多いです。

またシステム導入・改修に関しても、いまさら感の多い会社としてはエクセルレベルのちょこっとした修正と安直に捉えている人も多いのが特徴です。

例えばマイホームを建てている時に、8割方完成しているのにいきなり、2階建を4階建にすると言い出す人はほとんどいないでしょう。それだけシステム構築を軽く見ているからだと思います。

ではいまさら感を減らすにはどうすればいいか。単純に仕様設計・要件定義の時にきちんと決めておく(将来設計・機能拡張含めて)ことが大事です。

「明日から本気出す」会社のありがちな失敗の理由

「明日から本気出す」会社とは、今はそれほど切羽詰まっていないし、ライバル会社も導入していないので、その時になったら考えますというある意味のんびりした会社のことです。

一方で一度始めたら辞められない会社も多く、正確なジャッジができない企業が多い場合もあります。

IT系で明日から本気出す・いまさら感満載に遭遇する確率が高い理由

IT系はスピードが早い

IT系で明日から本気出す・いまさら感満載に遭遇する確率が高い理由としては大きく2つあるのではないかと考えます。1つはIT業務は通常の業務に比べてスピード感が要求されるのが大きいのが一番の要因ではないかと考えます。

システム導入やWEBサービスは日進月歩の業界なので通常のワークフロー(企画・稟議・上長提案承認等)を行っている場合、それだけで時間が経ってしまいます。以前のクライアントではドメインを確定取得するまでに1年間かかりました。

そうしたことをしている間に他社がサービスをリリースしてしまっていたり、商品を販売してシェアを獲得してしまったりするケースが多々あります。

アナログ的ワークフローのデジタル化に対応できない

もう一つはシステム開発等、自分のワークフローをシステム化する場合や、ECサイト・WEBサービスを開始するにあたってのワークフロー・スキームの確立が今まで属人的な采配(人に依存しすぎてきた企業)ほどハードルが高く、ワークフロー・スキームをシステム化できないという落とし穴ががあると考えます。

最近身近ではテレワークの導入がなかなか進まない理由は従来の紙ベースに依存しておりデータベース化されていない、人のナレッジ(暗黙知)に依存しすぎていて、社内の情報共有がデジタル化されていないというのが該当するかもしれません。

業界自体がアナログ・ライバルがいない

IT系とは関係ないですが、業界自体の商習慣がアナログであったり、激しいシェア争いがない・ライバル不在の業界の場合、「明日から本気出す系」の会社が多いような気がします

今差し迫った危機もないのであえてする必要がない等の理由が大きい理由ではないでしょうか。

BCPの記事にも書きましたがここ数十年の世の中の動向を見ていると、リーマンショック・東日本大震災・温暖化台風等の気候変動、そしてコロナウイルス等、数年おきに何かしらの事象がおきています。

■BCPに関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。

SyncScape【横浜・湘南地域の小さ...
クライシスマネージメント・BCP(事業継続計画)の重要性 以前に比べて日本は環境の変化により自然災害の規模が大きくなっている気がします。 IT・WEBシステム・ネットワークの現場では「バックアップ」「冗長化」「RAID」等、以前...

しかも災害以前に比べて規模が大きくなっています。これはITに限りませんが、そうした災害等に対して日頃から対策をしておくことが企業のリスクヘッジにつながると同時に安定した収益を確保することにつながるのではないかと考えます。

「明日から本気出す・いまさら感満載」の会社は機会損失が多い

「明日から本気出す・いまさら感満載」の会社はそれだけ商機を逃している場合が多く、同時に機会損失(売上損失・顧客損失等)が多くなります。

結局それをカバーするために余計な人件費やシステム導入や宣伝広告費を費やすことになり、さらに損失が膨らむ負のスパイラルに陥る場合があります。下記に実際の具体例をいくつかあげてみました。

ECサイトに意外と多い・仕入れが追いつかなくて機会損失を生んでいるケース

ECサイトに意外と多い、売れたら仕入れればいいという安易な発想が逆に機会損失を生む例ですが

自社ECサイトに限らず、Amazonや楽天に出店しているお店もそうですが、仕入れが追いつかず、在庫切れで商機の逃しているケースが多いです。これは2パターンあります。

セール時に予想以上の注文が入ってしまって仕入れが追いつかず勝機を逃している

Amazonプライムデーやタイムセールや楽天セール等ネットでは頻繁にセールを行うことが多いですが、実店舗に比べて注文件数が桁が違う場合があります。

商材によっては数分の間に数十件・数百件規模の注文が入る場合があります。そうした場合当然、すぐに在庫になってしまう場合があります。

特にAmazonの倉庫に預けている場合、倉庫の納品までタイムラグが生じる事が多く、機会損失が多いです。

セールに限らず、たまたまテレビで特集があって、その後、急に注文が増えた場合もあります。ネット販売の場合は適正在庫数の把握と常にセール時は在庫を切らさない施策が重要です。

セールの時にいまさら「在庫を増やせ」とか「仕入れを強化しろ」と言われてもすでに商機を逃しているのであとの祭り、祭りのあとの状態です。

在庫管理ができていなくて機会損失を生んでいるケース

ECサイトの場合、モール等の商品点数の制限がなければ無制限に商品を掲載可能ですが、それと同時に商品管理の工数の負荷が高まり、在庫管理の把握が難しくなります。

アクセス数があるけど在庫がなくて機会損失を生んでいる場合もあります。Googleアナリティクスで以前は滞在時間が長く成約率が高いページが直帰率・離脱率が高くなっている場合、エンゲージメント(成約率)が低下している場合は注意が必要です。

データドリブン的発想「増えた原因をきちんと分析しない」

成功する企業・失敗する企業の差はここにあるともいます。成功する企業の担当の方(特に経営者層)はなぜ増えたのか・どうすればもっと増えるのか・どこまでが限界等かなり詳しく聞きます。

データドリブン的発想で実はこれが重要で特にWEBの世界・ITの世界では「偶然」や「なんだかよくわからないけど」で成功するパターンは少ないです。

どこかのポータルサイトやテレビで紹介された等トラフィックが増えた要因は必ずあるはずです。

ちなみにサイトリニューアルをしてページリンクが切れてしまい、リダイレクトもされておらず、SEOのランクが下がってしまった=トラフィックが下がってしまったのが原因でした。

集客は成約が増えたが運用が追いつかず結局サービスレベルの低下・顧客満足度の低下の負のスパイラルへ

集客と成約が増えましたが、運用が追いつかず、結局在庫切れ・サービスレベルの低下・顧客満足度の低下につながり、負のスパイラルに陥ってネットでの評判も悪くなり以前ほどの成約率は維持できなくなりました。

また他社もおこなっているという理由でSNS(ブログ・Twitter・Facebook・Instagram)を始めたはいいけど運用が追いつかず、結局更新できず放置状態という結果です。

仮に継続して集客・成約ともに増加の一途をたどった場合でも比例して運用工数・運用コストが増大してしまい、利益・収益が変わらない可能性もあります。

目標設定をしていない

リスティング広告・SEO・サイト改善を行うと以前に比べて成約数・成約率が上がり、一時的に錯覚現象に陥る場合があります。

心理的には今まで全く価値がなかったものが認められなかったものが認められて「承認欲求」が満たされた状態になるのも要因の一つです。

この錯覚が実は怖く、どこまでも集客できる成約数できると錯覚をしてしまう=投資額が増えてしまう結果です。

実店舗経営の場合もいきなりチェーン店を増やすなどの拡大路線と似ているかもしれません。

サイトによって集客には限界があります。もちろん成約率にも限界があります。

あとは運用の効率化による労働生産性の向上やリピートユーザーや既存顧客の顧客満足度の向上=口コミやまたは他のサービス商材に投資等にシフトすることが大事なのです。

自社のウェブサイトの価値・情報資産価値に気づいていない

自社のウェブサイトの価値を理解できている企業・査定できる企業は少ないと思います。

自社のウェブサイトのどの部分に価値があるのか、どこにユーザーが魅力を感じているのか、ウェブサイトはあくまでフロント部分であり元を考えると自社のサービスや商品の魅力や商品価値になると思います。

自社のサービスや商品価値を100%活かすことのできるウェブサイトになっているか等考えることは大事です。

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[参考サイト]動かないコンピュータ(日経クロステック連載)

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この記事を書いた人

個人事業主歴20年・IT関連(導入支援・ヘルプデスク)・FAQサイト構築・WEB関連(WEBマーケティング戦略・集客・分析)・WEB・ECサイト運営のアドバイザリーの仕事を中心に活動。このブログでは気になったIT・ビジネス関連の情報・ニュースやグッズを自分の備忘録を兼ねて不定期で投稿しています。

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