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コロナ禍の政府の対応から考える一般企業でもありうる共通点(IT・DX施策編)

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コロナ禍の政府の対応について、自分の備忘録を兼ねてメモ代わりにコラムを記載しました。

プレゼン等をする際にこうした身近にある事例として説明すると理解度が進む場合が多いからです。

政府や役所等の対応を見ているともどかしい反面、普通の会社でもよくある事例があるので、まとめました。

今回は特に、一連のコロナ対策でIT面の施策を中心に、気になった点をピックアップしました。

Googleのコロナ予測に対しての政府の対応

感染症の数理モデルとAI等の組み合わせと説明してもそもそもAI自体理解している人は少ないと思います。

根本としてあるのは特に年配の日本人の多い基本的にはシステムをまったく信用していないという問題に行き着くのではないかと思います。

※ここでシステムを使用していないのはバグや不具合でシステムや解析結果が100%信頼できないという話ではないです。

データドリブンで話すことができないとことになります。

いくらAI等がデータを提示してもそれを信用しなければシステム導入を意味がまったくないです。

例えば1つのデータの数値が信用できない場合は複数のデータの数値を比較検証して、多角的に判断するというデータの検証を行いつつ決定を下すというフローがまったくなく、自分の勘や経験値のみでジャッジをするということです。

コロナのような過去に経験したことのない事例の場合全く勘や経験値は当てにならない場合があります。

もちろんデータ依存もよくありません。ただ全否定する理由もないと考えます。

[参考サイト]グーグルのコロナ予測、政府が「前提条件」調査へ(Asahi.com)

[参考サイト]Googleが感染症の数理モデルとAIを組み合わせた都道府県別の新型コロナ感染予測を公開、慶応大監修(Techcrunch)

新型コロナウイルスの感染者数把握作業 HER-SYS

新型コロナウイルスの感染者数把握作業では、当初はFAXで情報を集計をして、HER-SYSが5月末に稼働を始めました。

しかし、このシステムが使いにくいことから、東京や大阪は利用せず、結局はFAXでの集計作業をすることなりました。

福島第一原子力発電所事故での「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)」の時もそうですが、役所系のシステムは緊急時・非常時の時に役に立たないことが多い気がします。

なぜ使われないかは実際にシステムを見たことがないのでメディアの情報を元に推測の域になってしまいますが、多々理由があると思います。

[参考サイト]SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測)(Wikipedia)

[参考サイト]HER-SYS簡易操作マニュアル

このHER-SYSで気になった点としては「未知の感染症のデータを多く集めようと120に及び、入力に約30分を要した。」と読売新聞の記事にあるように

入力項目が120個もあり、全部入力するのに30分かかるというのが不満が多かったようです。

これはシステム開発でよくある話であれもこれもあったほうがいいよねということで結果として入力項目が多すぎてオペレーターの生産性が低下や使い勝手が悪い等で結局利用されないケースです。

お問い合わせフォームでも同じです。あれもこれも聞いておいた方がいいということで項目を増やした結果、離脱率が上がり、結局お問い合わせ減少・成約率が下がってしまうという本末転倒なケースです。

[参考サイト] 7年かけたシステム使わず、急造ハーシスで混乱…厚労省「詳しい経緯わからない」 (読売新聞)

[参考サイト] HER-SYS「もっと簡素化するべき」が医師の37.5%(m3.com )

新型コロナウイルス対策のスマートフォン向けの接触確認アプリ「COCOA」の一連の問題

接触確認アプリ「COCOA」の問題はニュースやワイドショーでも話題になったので、知っている人も多いのではないでしょうか?

そもそもCOCOAアプリ自体の出来も問題ですが、テスト検証がない、その後のアップデートもない、そもそもアプリの保守管理体制が存在しない、複雑な下請け構造等、日本が抱えるIT化への構造的課題を浮き彫りにした出来事だったと思います。

そもそも厚労省の要件定義がしっかりできてない(要件定義という言葉すらしらないレベル?)ので全部業者に丸投げなのが現状で、しかも保守管理体制と言う発想がなかったのかもしれません。

アプリ系はバグ・不具合が日常茶飯事なのと一般ユーザーには頻繁にアップデートが必要なので、むしろ改修保守管理にウエイトを置かないといけないです。

[参考サイト]接触確認アプリCOCOAからの教訓|情報処理学会・学会誌「情報処理」

[参考サイト]「知識乏しくテストせず」 接触確認アプリ「COCOA」不具合(NHK News)

[参考サイト]COCOA問題、業者任せが連鎖 厚労省の能力「疑問」(朝日デジタル)

[参考サイト]COCOA開発受注企業が事業費94%を3社に再委託、さらに2社に…不具合の原因企業「分からない」 (東京新聞)

マイナポイント予約申し込みに対応するWebブラウザはInternet Explorer 11のみ問題

当初、マイナポイント予約申し込みに対応するWebブラウザはInternet Explorer 11のみで、Google ChromeやMicrosoft Edgeにも対応しておらず、批判の対象になっていました。

マイナポイントの場合、カードリーダーがIEにしか標準で対応していないというのが理由だったみたいですが、

現状のブラウザシェアを考えると当然こうした問題は発生する可能性があるのであらかじめ策を考えておくべき事柄の一つだったのではないでしょうか。

ネットサービスと違い競争原理が働かないので、官公庁の場合は保守契約がされていない、または予算削減等により、保守契約のカット等もあるかもしれません。

保守のことを考えず、セキュリティ面で不安な古いシステムをずっと使い続けている場合等、これは一般企業でも同じことがありえます。

[参考サイト]IE縛りで批判のマイナポイント、ChromeとEdgeでも申し込み可能に(プラスデジタル)

マイナンバーオンライン申請でも手作業

「氏名を目で確認 全員の住民票コードを手で入力・11日までのオンライン申請が9000件を超えた東京都品川区では、オンライン申請された情報を職員がダウンロードし、住民基本台帳と照合して、申請者の氏名や生年月日などに誤りがないかを目で確認しているという。」

[参考サイト]郵送より遅い? 10万円給付「オンライン申請」の本末転倒(毎日新聞)

以前の記事でも書きましたが、IT・DX化をするにあたりとても重要なことは最初から最後まですべての業務工程がIT(システム)によって完結することがとても大事です。

途中アナログ作業工程がある場合、そこがボトルネックになる可能性が高いからです。

しかもIT・DX化すると通常のアナログ作業に比較にならないほどの膨大な作業が処理されるのでアナログ作業工程が膨大になり破綻するリスクがとても高いです。

今回のマイナンバーオンライン申請の手作業の件はまさにその事例にあたります。

また日本企業(年配の方)に多い感じがしますが、システムを軽視・過小評価・そもそもシステム自体を信用していない傾向があるのではないでしょうか。

もちろん100%システムを信頼する・依存するのもよくないですが、他のIT先進国(中国等)や途上国は子どもの頃からすでに身近にスマホやパソコン等があり、仕事の一部や生活の一部として普通に溶け込んでいるからシステムに対するアレルギーが少ないのもあるかもしれません。

日本の場合、アナログ時代が長く、未だにコピーやFAX等がなくならないのは経済成長と時代背景があるのかもしれません。

「やっぱりアナログ作業が早くて確実だよね!」という結果論に落ち着いてしまうケースが多々あるでしょう。

持続化給付金問題

持続化給付金問題では実態ない組織・中抜き問題・入札手続きの不透明さ等、様々な疑念やトラブルを抱えてましたが、今回のシステムに着目しました。

8月31日まではサービスデザイン協議会・9月1日以降はデロイトトーマツが運営することになり、サイトを見ると一目瞭然ですが、全く別のデザイン・システムとなっており、コールセンターも全く別のところが受託していて運営しているようです。

しかもデータベース等の引き継ぎもないので8月と9月は全く別のシステムを0ベースから構築したということではないかと思います。

WEBの世界でも前のサイトのシステムやコンテンツを引き継がず、0ベースで開発よくあることですが、たった数ヶ月で短期間で全く別のシステム・運用はかなり珍しいことだと思います。

同じコンテンツでデザインの見せ方等、勉強になる部分も多く、WEB制作の立場からみると参考になることも多いですが、税金で賄われていることを考えるとそう楽観的に考えることができないのが本音です。

[参考サイト]トラブル続出 コロナ「持続化給付金」を769億円で受注したのは“幽霊法人”だった(週刊文春電子版)

PPAP/はんこ廃止/FAX廃止

PPAP(パスワード付きZIP)とはんこ廃止も喧々諤々の議論がありましたが、そもそもはんこを廃止する以前に稟議書等、はんこのある書類をなくすのが先決だと思います。

システム開発やサービス開発でもよくあることですが、複雑なフローやサービスをシステム化をする前にそもそもそのフローやサービスが必要なのかを話し合うことが重要です。

[参考サイト]PPAP(Wikipedia)

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KAN
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個人事業主歴20年・IT関連(導入支援・ヘルプデスク)・FAQサイト構築・WEB関連(WEBマーケティング戦略・集客・分析)・WEB・ECサイト運営のアドバイザリーの仕事を中心に活動。このブログでは気になったIT・ビジネス関連の情報・ニュースやグッズを自分の備忘録を兼ねて不定期で投稿しています。
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