最近テレワーク・リモートワークの普及等により従業員の情報共有についてクローズアップされている感じがします。
スマホの普及やチャットツールのツールによって以前に比べてデジタルでのコミュニケーションのハードルが下がっているのもあるでしょう。
今回社内の情報共有に有用な社内向けFAQについてまとめました。
社内の情報共有・周知方法の現状
社内の周知方法としては朝礼等、口頭による伝達からFAX・インターネットの普及による電子メール・最近ではチャットツールや共有サーバー等に進化しています。
ただ依然として中小企業の場合、口頭伝達や電子メールでの情報共有がメインの所も多いです。またExcelでの情報共有やGoogle Workspaceを導入している会社であれば、GoogleスプレッドシートにFAQをまとめて運用している会社もあります。
■FAQに関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。
社内FAQの必要性
リモートワーク・テレワークによる普及による情報共有
コロナ禍でリモートワークやテレワークの普及により職場の対面での情報共有が難しくなり、社内周知ツールとしての社内FAQを検討する会社が増えてきているようです。
最近ではSlackやChatwork等、チャットツールによって情報共有している会社も多いですが、大人数なるとアカウントの問題や一斉連絡や恒久的な情報の共有等難しい部分もあります。
社内異動・離職率が激しく、サービスレベルの低下・仕事のクオリティが維持できていない
頻繁に組織改編による社内異動が多い会社や離職率が激しい会社の場合、情報共有や仕事の引き継ぎが難しく、サービスレベルの低下・仕事のクオリティが維持できない場合や毎回入社するたびに研修やOJTを行い、その時間だけでも多大な労力を払っているケースもあります。
これからは企業の情報資産価値(ナレッジキャピタル)が重要
GAFA系に代表されるようにすでに情報を活用したビジネスにシフトしています。
企業の資産価値というと、機械・不動産等の固定資産にフォーカスされがちですが、企業には情報資産という資産もあります。
情報資産とは事業活動の中で培われたもので、従業員の記憶・知識・営業・技術に関するノウハウや経営ノウハウなども情報資産に含まれます。
[参考サイト]情報資産とは? 情報資産管理の重要性と脅威への対策方法を解説(メルカート)
社内FAQを作るメリット
社内FAQを作るメリットとして大まかに分けて下記のポイントがあります。
業務の効率化・労働生産性向上
社内FAQの目的としては情報共有ですが、情報共有により、業務の効率化や労働生産性向上効果があります。
毎日何度も同じことを質問されたり等、本業務以外の業務負荷軽減が軽減されることにより、業務効率化向上に貢献します。
従業員の研修・教育効率化・コスト削減
中途社員や新入社員の研修の効率化にも社内FAQはとても重要です。
中途社員や新入社員が社内FAQを閲覧することによって過去のこの会社の業務詳細や業務フロー等を自主的に把握することができます。
わざわざ先輩の社員も聞くこともないので研修やOJTの効率化=コスト削減にもつながります。
業務知識の整理・蓄積・ノウハウ技術伝承
特に属人的な組織の場合、その人が異動や退職した場合のリスク等回避
土日・夜間対応・遠隔地の支社・支店との情報共有
店舗営業等、土日・夜間対応が必要な場合または海外・地方等、遠距離地域の支店・支社への情報共有に社内FAQは活躍してくれます。
間接部署ヘルプデスク・人事・総務系の業務負荷軽減
社内FAQの恩恵を受ける部署としてはヘルプデスク・人事・総務系の部署が多いです。
経費精算・手続書類の申請方法やセキュリティのアップデート方法やネットワークの接続方法等、よく聞かれる内容のFAQ化や全社一斉に情報公開でき、恒久的な情報の取り扱いが多いので社内FAQは適している場合が多いです。
社内FAQシステムの種類
大規模ならFAQシステム
大企業の場合やFAQ数が膨大な数が予想される場合は専用のFAQシステムを導入した方が運用効率化を含めておすすめです。
最近ではサブスクリプション・クラウド型のFAQシステムも多数あるので、イニシャルコストも削減できますし、初期設定をすればすぐに使えるものもあります。
■FAQシステムに関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。
基幹システム(ERP・CRM・SFA等)やグループウェア等のオプション・モジュールのFAQツール
例えば小規模企業の場合、FAQシステムほどコストが掛けられない・FAQコンテンツ数がない場合、まずはグループウエア等に付属しているFAQツールを活用する方法もあります。
基幹システム(ERP・CRM・SFA等)やグループウェア等がFAQツールをオプション・モジュールとして提供している場合があります。
もちろんFAQシステムに比べて機能的には全然劣りますが、とりあえずFAQページが必要という場合にはいいかもしれません。
[参考サイト]サイボウズOFFICE カスタムアプリ「社内Q&A」 (サイボウズ公式サイト)
WordPressでFAQシステムを構築
FAQシステム構築・FAQの運用相談でWordPressをベースにFAQシステムを構築できないかというのがあります。
元々WordPress自体・CMS(Contents Management System)なのでFAQシステムと機能がかぶるところもあります。
WordPressのプラグインにもFAQプラグインがいくつかあるのでそれを活用することにより構築はできます。
またカスタム投稿タイプを上手く活用することでFAQサイトを運用できなくはないです。
プラグインなので機能拡張やカスタマイズに限界があるのと、アップデートの保証がないのでバグ・セキュリティ面の不安はあります。
すでに自社でWEBサーバーを運営している場合にはWordPressでのFAQ構築も検討してもいいでしょう。
■WordPressでFAQシステムの構築に関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。
社内FAQサイト構築時・成功するポイント
「よくある問い合わせの内容」のヒヤリング
社内FAQサイト構築において重要なのは情報収集・従業員への「よくある問い合わせの内容」ヒヤリングと過去のお問い合わせ・質問の分析です。
メールでのお問い合わせを受け付けている場合はメールのお問い合わせ内容の分析も大切です。
ヒヤリングや過去のお問い合わせを分析することにより、的はずれなFAQを作る事がなくなります。
ヒヤリングやお問い合わせ分析はこれはFAQサイトを公開しても常に行うことが重要です。
運用ガイドライン策定(情報提供フロー・精査フロー・責任の所在を明確化)
FAQサイト構築ばかりフォーカスしてしまい、運用ガイドラインや運用フローを考えていないと誰も更新しなくなります。
特に掲載する情報の責任の所在を明確にするのは大事です。
万が一情報に誤りがあってトラブルが発生した時に制作した人が責任を取ることになり、結局誰も制作・更新・メンテナンスしたがらなくなります。
基本的には情報依頼者・情報提供者がそのFAQコンテンツの情報責任者がベストと考えます。
FAQ管理者はあくまで編集・加工・管理代行等ポジジョンがきちんと棲み分けできてトラブルが少ないでしょう。
PDCAサークル・FAQ更新・改善
社内FAQのクオリティを維持するにはやはり、日々FAQを更新メンテナンスとFAQサイトを改善することが大事です。
いつまでも古い情報を掲載したりしていると、必然的に解決率が下がり、最後には誰も見なくなります。
専任の担当スタッフを用意(きちんと業務として独立させる)
過去のFAQサイト立ち上げの経験から、専任の担当スタッフを用意するかどうか・業務として独立させるかによってFAQサイト運営が成功するかどうかのポイントだと考えます。
通常の業務との兼務(善意のボランティア)でFAQサイトを立ち上げる場合がありますが、そうした場合、途中で更新が大変になり。閉鎖というケースは多数見てきました。
お問い合わせ削減等と労働生産性向上・業務の効率化との相関関係はなかなか数値的に出しづらく、見えづらい部分があります。
社内FAQの管理は重要な業務は間違いないので、先行投資と考えても、独立した業務として認めることが重要です。
また所属部署に関してはCIO最高情報責任者直下の部署等、情報管理を行う部署がベストです。
中小企業の場合、CIO等存在しないことが多いので、経営管理部・情報システム部・広報部・総務部等の管轄になる場合が多いです。
社内FAQのサイトのネーミングは重要
社内FAQのサイトでネーミングは重要です。例えばネーミングがないと「よくあるご質問ページ見ろ」と言われてても、どこのよくあるご質問ページなのかわからない場合が多いです。
ネーミングがあると自然と「○○に書いてありました」と会議とか社内でも名前を耳にすることが増えて、口コミで閲覧数が増えていく傾向があります。
社内FAQのサイトのPR活動・啓蒙活動
ユーザー向けのサイトじゃないのに社内FAQにPR活動が必要?考える人が多いです。
また社内FAQサイトを設置しさえすれば、それで終了で自然と全社員が利用してくれると考えている人が多いです。
社内FAQサイトの存在をきちんと全社員に告知することと、問い合わせがあった際に次からは社内FAQを見てくださいと啓蒙活動をすることが大事です。
常にPV(閲覧数)把握して、KPIを立てて普及率・浸透率を計測することが重要です。
また情報の掲載依頼も受け付けていることをアピールすることも大事です。情報の鮮度や必要な情報はやはり現場の社員の方が詳しい場合が多いからです。
FAQサイト構築・FAQ作成代行サービスのご案内
FAQサイト構築・FAQ作成代行サービスを行っています。大手電機メーカーのコールセンターでのFAQサイト構築の経験を活かし、ご相談を受け付けています。
もしこの記事を読んで興味を持たれた方・もう少し話を聞いてみたい・お問い合わせ削減等でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
■FAQサイト構築・FAQ作成代行サービスの詳細に関しては下記の記事↓にまとめてありますので興味のある方はご参照ください。